2016年はAR/VR元年とも言われて、様々なHMDが発売される予定になっています。
AR (Augmented Reality, 拡張現実), VR (Virtual Reality, 仮想現実) に加えて、MR (Mixed Reality, 複合現実) という言葉も出てきました。MR = AR + VR です。
ここいらで HMD を簡単に整理してみます。
分類 | 名称 | 製造者 | 視野角 | 画面 解像度 | PC 接続 | 価格 | 発売日 |
VR | Rift | Oculus | 110 | 2160 x 1200 | 要 Windows/ Linux/ OS X | $600/ 9.5万円 | 2016/ 03 |
VR | Vive | HTC | 110 | 2160 x 1200 | 要 Windows | $800/ 11万円 | 2016/ 04/05 |
VR | PlayStation VR | SCE | 100 | 1920 x 1080 | 要 PS4 | $400 | 2016/ 10 |
MR | Sulon Q | AMD | 110 | 2560 x 1440 | 不要 (Windows 10 搭載) | 未定 | 2016/ 春 |
AR | Hololens | Microsoft | 狭い(90未満) | 不明 | 不要 (Windows 10 搭載) | 未定 (開発者版 $3000) | 2016 |
AR | Meta 2 | Meta | 90 | 2560 x 1440 | 要 Windows | $950 | 2016/ 夏 |
Microsoft は Hololens を MR 製品としています。これは、他の HMD と差別化するために新しい用語を使用していると推測されます。しかし、Hololens を MR と呼ぶと AR との区別が曖昧になると思い、ここでは次の基準で分類しています。
- VR : CG で仮想的な現実を創り出す。ディスプレイに立体的な空間を表示することで実現される。
- AR : 現実に CG を重ね合わせて、現実に情報や機能を付加する。透過型のディスプレイに CG を表示することで実現される。
- MR : CG で仮想的な現実を創り出したり、現実に CG を重ね合わせる。カメラで撮影した現実の風景とCGをディスプレイに表示することで実現される。
他にも様々な HMD があるようです。
http://shiropen.com/2015/05/26/7939
VR 製品は、エンターテインメントの向きが強いのが現状であるため、ソフトが重要ではないかと思います。そう考えると、ここまでの資産がある Rift や価格が他より安くソフトの充実が期待できる PlayStation VR が有力でしょうか?仮想世界への没入感が大切になるので、視野角は重要な要素ではないかと思います。
AR 製品は VR とは位置づけが異なる製品だと思います。PCの狭いディスプレイから解放される可能性があることや手を触れずに操作できるという利点から、タブレット、ノートパソコンの代替として期待しています。例えば、タブレットやノートパソコンでは、1つ2つのアプリケーションしか画面に同時に表示できませんが、AR を使うことで空間に複数のアプリケーションを同時に表示できると思われます。視線を変えるだけでアプリケーションを切り替えることができれば便利です。また、料理中に手を触れることなくレシピを参照できる、電話に応対できるという使い方も考えられます。視野角は重要な要素ではありますが、携帯性(移動の容易さ、電源の維持)が重要ではないかと思います。こう考えると Hololens は面白い所を狙っているように思います。
MR 製品は、VR と AR のどちらとも使えるので両方の特徴を備える必要があると思います。そうすると価格が問題になりそうです。Sulon Q の価格はいくらくらいになるでしょう?
群雄割拠の X Reality。どこが生き残るのか?どこも生き残らないのか?今年一年の動向が楽しみです。